上棟式の使う桑の木にまつわる昔話があった!?

2022/03/09

こんにちは。
鹿児島県出水市の丸久建設スタッフです。

本日は上棟式の時に、
“桑の木”を釘で柱に取り付けるのですが、
「なんでだろう?」と不思議に思ったので
色々と調べてみました。

すると、こんな日本昔話をみつけました。

「かみなりさまとクワの木」

むかしむかし、お母さんとニ人暮らしの男の子がいました。
ある日、お母さんが男の子に言いました。

母:
「畑に茄子(ナス)を植えるから、

 町へ行って茄子の苗を買って来て」

男の子
「はーい」

男の子は町へ行くと、
一番値段の高い苗を一本だけ買って来ました。
それを見て、お母さんはガッカリです。

母:
「お前は何で、もっと安い苗をいっぱい買って来なかったの?
 一本しかなかったら、育てても大した数にならないのに・・・。」

男の子
「うーん、そうだったのか・・・」

でも男の子は、心の中でこう思いました。
(一本きりでも、この値段の高いなえなら、きっとたくさん実がつくはず)

確かにその通りで、
茄子の苗は植えた途端に
グングンと伸びていったのです。

男の子
「どうだい。やっぱり値段の高い苗は違うだろう?
 わあ! 話している間にも、雲を突き抜けたぞ!!」

茄子の茎は、雲を突き抜けても成長をやめません。
やがて茄子は薄紫の花を咲かせると、
それはそれは見事な実をいっぱい実らせたのです。

次の日の朝、男の子は家からはしごを持ち出しました。
それを見つけてお母さんが、あわてて言います。


「こら、どこへ行くつもり?
 茄子を採るために登るつもりなら、危ないからやめなさい」

男の子
「危なくないさ。じゃあ、ちょっくら行ってくる」

母:
「だめ! やめなさい! 落ちたらどうするの?
 お父さんも、屋根から落ちて死んだのだから・・・」

男の子
「大丈夫、大丈夫」

男の子はそのまま、茄子の木を登っていきました。

さて、男の子が茄子の木を登って雲の上に出ると、
そこには立派なお屋敷がありました。

男の子がお屋敷の扉を開けてみると、
中には茄子を持ったおじいさんがいました。

男の子
「あっ! それは、おらの茄子じゃないか?!」

男の子が叫ぶと、おじいさんが言いました。

おじいさん
「ほう、この茄子は、お前さんが植えた茄子だったか。
 おかげで毎日、おいしくいただいていますよ」

おじいさんは男の子に礼を言うと、
男の子をお屋敷の中に連れて行きました。

中には二人のきれいな娘がいて、
男の子を一晩中、歌や踊りでもてなしてくれました。

次の朝、男の子が目を覚ますと誰もいません。

男の子
「あれ? みんな、どこへ行ったのかな?」

男の子がつぶやくと、襖(ふすま)の向こうからおじいさんの声がしました。

おじいさん
「起きたか。わしらは仕事に行ってくるから、留守番をしといてくれ」

男の子
「仕事? 雲の上にも、仕事があるのか?」

おじいさん
「もちろん。これで結構、忙しいのさ」

男の子
「なら手伝うから、おいらも連れて行ってくれ」

男のはそう言いながら、襖を開けました。
そして、おじいさんの姿を見てびっくり。

男の子
「うわっ! 鬼だ、鬼だぁ!」

何とおじいさんは、頭に二本の角が生えた鬼だったのです。
その横には、二人の鬼の娘も立っています。

怖くなった男の子は、真っ青な顔で言いました。

男の子
「おいらの肉は、まずいぞ。だから食わないでくれ!」

それを聞いた鬼のおじいさんは、大笑いです。

おじいさん(鬼)
「ワッハハハハ。わしたちは、人間を食べる悪い鬼でねえ。
 わしらは雨を降らす鬼なんじゃ。ほれ、こんな具合にな」

そう言って鬼が太鼓を鳴らすと、
娘たちが柄杓(ひしゃく)で雨を降らせました。

男の子
「わかった、おじいさんは、かみなりさまだったのか」

おじいさん(鬼)
「そうじゃ、かみなりさまだ。
 だからこれから、雨を降らせに行くんじゃ」

それを聞いて安心した男の子は、鬼に言いました。

男の子
「それなら、おいらも一緒に行く」

おじいさん(鬼)
「よし、それならこの雲に乗りなさい」

鬼は足下の雲を大きくちぎると、
二人の娘と一緒に男の子を乗せました。

みんなを乗せた雲はスーッと動くと、
今から雨を降らせる場所まで移動しました。

雲の端から下をのぞいて、男の子が言いました。

男の子
「あっ、ここはおいらの村だ!」

鬼は立ち上がって、太鼓を鳴らしました。
娘の一人が、鏡で光を地上へ照らしました。

この太鼓の音と鏡の光が地上へ届いて、
稲光となりました。

もう一人の娘が柄杓の水を撒くと、
それが地上へ届いて、大雨となりました。

ちょうどその日は、村の夏祭りでした。

突然の稲光と大雨に、
集まっていた村人たちはビックリです。

村の人
「うわあ! 夕立だあっ」

それを雲の上から見ていた男の子は、
逃げる村人たちの様子が楽しくてたまりません。

男の子
「ねえ、娘さん。おいらにも雨の柄杓を貸してくれ」

男の子は柄杓を借りると、
面白がって雲の上から雨を降らせました。

おかげで村は、滝の様な大雨です。

男の子
「それっ、それっ。逃げろ逃げろ。早く逃げないと、もっと降らせるぞ」

男の子は調子に乗って、
何度も何度も柄杓の水を撒きました。

そしてその時、
男の子は足を滑らせて雲の上から落ちてしまったのです。

男の子
「うわっ、助けてくれ! まだ死にたくないよー!!」

男の子は雨の中を落ちていき、
下にあった桑畑(くわばたけ)の中へ飛び込みました。

ドッシーーーーン!!!

しかし何と、男の子は運良く
桑の木に引っかかって、命だけは助かったのです。

これを見て、かみなりさまが言いました。

おじいさん(かみなりさま)
「あーあ。せっかく、わしの跡を継がせようと思ったのに。
 地面に落ちてしまっては仕方がない」

でも、もっと残念がっていたのは、二人の娘たちでした。
二人とも、男の子のお嫁さんになりたいと思っていたからです。

それからというもの、桑の木のそばには、
決して雷は落ちないと言われています。

なぜかと言うと、
男の子を助けてくれた桑の木へ、
かみなりさまが感謝しているからです。

-おしまい-
※参照元:雷さまとクワの木

こういった理由から、
『桑の木には落雷から守る』という説があります。
※所説あります。

 

~まとめ~

冒頭にもお話しましたとおり、
新築住宅を建てる際、上棟式にて
鯛を二尾藁で結んだもの、大根二つと
桑の木を柱に釘で打ち付けます。

なんで桑の木なんだろう?と思っていた疑問は
昔ながらのお話から由来していました。

また、丸久建設の建築スタッフに聞いてみると、
「あー。桑の木は、落雷除けだよ。」
アッサリ答えてくれました。

これってなんだろう?と思うことは
まだまだ、たくさんあります。

 

例えば、
・地鎮祭の時には、鯛は一尾なのに、
 上棟式だと何で二尾なのか?しかも、なんで藁で結ぶのか?
・棟木に取り付ける扇子の由来は? などなど

 

ぜひとも、今後追及していきたいと思います。
それでは、また!!


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