鹿児島でパッシブデザイン 

2018/08/01

鹿児島でも、これからの家づくりの一つの形と言われているパッシブデザイン。

このパッシブデザインの設計手法のひとつ「日射遮へい」を解説していきます。

パッシブデザインの定義

「パッシブデザインとは、建物のあり方を工夫して、建物の周りにある自然エネルギー(太陽・風・地熱)を最大限活用・調整できるようにし、高い質の室内環境を実現させながら、省エネルギーに寄与しようとする、建築設計の考え方と実際的手法」
(パッシブデザイン協議会代表理事 野池政宏氏)

パッシブデザインの5つの設計手法

①断熱

②日射遮へい

③自然風利用

④昼光利用

⑤日射熱利用暖房(パッシブ・ソーラー)

がパッシブデザインの設計手法にあげられます。今回は、パッシブデザインの「②日射遮へい」について話しします。

 

パッシブデザインの日射遮蔽

パッシブデザインの日射遮へいとは、夏期や中間期に室内に侵入する日射を遮り、室内を涼しく保つ事です。

効果としては冷房エネルギーを15~45%程度の削減効果があるといわれています。

上記のように表現すると、日射遮へいは「窓」で日射を遮るイメージですが、それだけが日射遮へいではありません。

パッシブデザイン協議会 代表理事 野池政宏氏パッシブデザイン講義)

上の図からみると、パッシブデザインの日射遮へいは

①窓から入る日射を防ぐ

②屋根や外壁に当たった日射をはじく

④断熱によって屋根や外壁から室内に入る熱量を少なくする

⑤通気層や換気によって屋根や外壁から室内に入る熱量を少なくする

とされています。

パッシブデザインではこれらの要素を盛り込んだ手法を考えていきます。

 

しかし、パッシブデザインで一番の日射の侵入を防がなといけないのは、やっぱり「窓」になります。

上の図の様に、夏期の窓からの日射侵入率が71%あるからです。

 

 

日射遮へいの手法を4つ説明

(1)開口部の日射遮へい

日射遮へいに効果のあるガラスを選択し、日射遮へい部材(カーテン、ブラインド等)を置する手法です。

 

・ガラスの選択・日射侵入率ガラスの日射の侵入のしにくさを表します)

(※数字の小さい方が日射を通し難くなります)

 

この様に、ガラスの種類も多くあります。

この多くのガラスの種類から、自身が考える住宅性能にあったガラスの選択が重要です。

 

それと考えなければいけないのが、「夏の日射遮へい」だけでなく、

冬の太陽エネルギーの活用した暖かさ「冬の日射取得」とのバランスです。

パッシブデザインでも「夏の日射遮へい」「冬の日射取得」は相反する事柄です。

 

パッシブデザインは夏は日差しを遮り、

 

パッシブデザインは冬は日差しを取り込む、

この相反する二つを同じ建物の中でバランスよく設計することがパッシブデザインでは重要です。

 

「窓・ガラス」は夏にとっても、冬にとっても重要なパッシブデザインのポイントになります。

パッシブデザインの肝といってもよいかもしれません。

特に南国・鹿児島・宮崎では、パッシブデザインの「夏の日射遮へい」「冬の日射取得」は断熱と同じくらい、また断熱以上の効果をもたらす場合もあります。(※ある一定の断熱性能が基本ですが)

 

 

・日射遮蔽部材での日射遮蔽係数
「日射遮蔽部材」とは、カーテンやブラインド、障子・すだれ・シェードなどの事です。

「日射遮へい係数」とは、日射の侵入を削減する割合です。

ここでは、カーテンやブラインドがどれだけ日射の侵入を防げるか?です。

日射遮へい部材の設置位置(屋外か屋内)や種類により日射遮蔽係数は異なります。

外付け部材の方が日射遮蔽効果は大きくなります。

図の上のグラフが、普通ガラスに「内付けブラインド」の場合と「外付けブラインド」の場合。

図の下のグラフが、遮熱型複層ガラスに「内付けブラインド」の場合と「外付けブラインド」の場合。

外部に遮蔽部材(ブラインド等)を付けた方が、内部の遮蔽部材より、より効果な日射を遮ることができます。

 

・その他の日射遮へい部材

(※日射遮蔽係数 数字が小さい方が効果大)

内部のカーテン・障子と外部の遮蔽部材(ブラインド・シェード・すだれ等)をうまく活用すると効果大です。

(2)庇(ひさし)等の日射遮へい

パッシブデザインでは庇や軒などは、日射遮蔽に大きな効果を生み出します。

夏期の太陽高度を計算して、強い日差しを室内に入れない事が大事です。

 

そして、庇等の形状も大きな要素になります。

(※庇の日射遮蔽係数)

 

庇・軒等は、太陽高高度の高い時の有効です。

ですから、夏期の昼を中心に検討する事が大事です。一番暑いものこの時間です)

一方、朝方の東からの太陽光(朝日)、夕方の西からの太陽光(西日)は、太陽光は高度が低いので庇・軒等での日射遮蔽は効果ありません。別の方法の日射遮蔽が求められます。

(3)外壁の日射遮へい手法

外壁に通気層を設けたり、反射率の高い外装材を使用する方法です。

 

また、太陽光発電のパネルを屋根にのせることにより、屋根との間に空気層が出来、

立派なパッシブデザインの日射遮へいになると思います。

太陽光パネルで日射遮へいをして、夏の室温を下げる省エネ効果。

太陽光パネルで発電しての省エネ。一石二鳥の活躍です。

パッシブデザインの欠かせない要素ですね。

(4)その他の日射遮へい手法

庭・ガーデンの活用です。樹木等での日射遮へいや、芝生や緑で強い太陽光の照り返しを防ぐ効果があります。パッシブデザインでは、庭・ガーデンは重要な付加価値をなります。

このように、パッシブデザインの日射遮へい手法は色々とあります。屋根の日射遮へいではソーラー発電のパネルも屋根材(瓦やコロニアル等)とパネルの間に空気層があり熱を伝えない効果もあります。

 

まとめ

南国鹿児島・宮崎にとっては、ある程度の「断熱性能」は必要ですが、パッシブデザインの「日射遮へい」をきちんと設計した方が、快適な空間を実現できると思います。

断熱性をあまり上げ過ぎると、夏に部屋の中が暑くなってきます。断熱性能が良すぎて部屋の熱が外に出ていかないで溜まる「熱ごもり」現象が起きます。日差しの強い南国の夏対策「日射遮へい」が重要になって来ます。

また、南国鹿児島・宮崎は冬の日射量も多いので最大限活用して、断熱性能だけに頼る温熱環境の実現でないほうが、夏の「熱ごもり」にも効果的です。

「断熱」「日射遮へい」「日射取得」をバランスよくです。きちんとパッシブデザインの設計手法を捉えて家づくりが求められます。

これからの家づくりに「パッシブデザイン」は欠かせないものになってくると思います。

パッシブデザイン・自然のエネルギーを活用した家づくりを是非考えて下さい。

 

〇丸久建設株式会社

丸久の家創り(住宅事業部)

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